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トランプ大統領の英語力~「わかりやすい・聞きやすい」はフェイク?

2018年4月16日

ドナルド・トランプ大統領お得意の「FAKE NEWS(フェイク・ニュース)」をはじめとして、「トランプ英語はシンプルでわかりやすい」「トランプ英語は聞きやすい」「トランプ英語は小学生英語」といったことがよく言われているようですね。

ところが、そんな「トランプ英語」の日本語訳に日々悩んでいるプロもいるようです。

日本語の翻訳家を悩ませるトランプの英語

「『子供でも分かるトランプ英語』が、トランプを大統領にした」という説がある一方で、実は、「英語のプロ」である翻訳家が、トランプ英語の和訳に四苦八苦しているようです。

 “Trumpese” の和訳は “nightmarish”?

イギリスのオンライン新聞・インデペンデント紙(The Independent)に掲載された記事(http://ind.pn/2meID1W)によると、特に日本語において、“Trumpese”「トランプ語」の訳は “nightmarish” 「悪夢のような」困難さを伴っていると評判です。

Translators around the world are struggling to interpret Donald Trump’s unique speaking style with the Japanese finding it particularly “nightmarish” to translate what they call “Trumpese”.

世界中の翻訳家は、ドナルド・トランプの独特な話し方を訳するのに苦戦している。中でも日本人翻訳家らの間で「トランプ語」と呼ばれるものを訳するのは特に「悪夢のように」感じている。

オバマの時は良かった?

やはり、オバマの演説の翻訳はしやすかったようです。

English-Japanese interpreters are reportedly struggling to follow the US President’s speeches, with many highlighting the contrast in style with his predecessor Barack Obama who was recognised as a great orator.

英日の翻訳家らは、アメリカ大統領(トランプ)のスピーチについていくのに苦戦していると報告されている。彼らの多くが、トランプと演説の名手として知られた彼(トランプ)の前任者であるバラック・オバマ氏のスピーチ・スタイルの違いを強調している。

「トランプは非論理的で一方のみを強調」

トランプ大統領は、一方の側からの断定的表現がお得意のようで…

“He rarely speaks logically, and he only emphasises one side of things as if it were the absolute truth. There are lots of moments when I suspected his assertions were factually dubious,” interpreter Chikako Tsuruta told The Japan Times.

「彼(トランプ)は、論理的に話をすることがほとんどなく、また、絶対的真実であるかのように一方の側面だけを強調する。私は、彼が断言したことが本当かどうか何度も疑わしく思ったことがある。」と通訳者の鶴田知佳子はジャパン・タイムスに語った。

翻訳不能?翻訳に抵抗?

翻訳家の人たちは、トランプの話し方に混乱し、非常な困難に直面したり、翻訳に抵抗があったりするようです。

“He is so overconfident and yet so logically unconvincing that my interpreter friends and I often joke that if we translated his words as they are, we would end up making ourselves sound stupid.”

「彼はとてもうぬぼれが強いと同時に、ひどく論理的な説得力に欠け、翻訳家仲間との間では、そのまま彼の言葉を訳してしまったら自分たちが愚かに聞こえる、とよく冗談でいう。」

 

シンプルに、きれいな日本語に訳すのが翻訳家の仕事なのでしょうが、「トランプ語」は、なかなかそれをさせてくれないということなのでしょう。

「トランプ英語は小学生英語」は正しい?

やはりというべきか、日本でよく言われる「トランプ英語はシンプルで分かりやすい」「聞きやすい」「トランプ英語は小学生英語」という見方は、学術的にも当たっていることになりそうです。

A Carnegie Mellon University Language Technologies Institute (LTI) “readability analysis” of presidential campaign speeches revealed last year that the former real-estate mogul’s lexical complexity was the lowest of any of his rival candidates or past US presidents.

カーネギーメロン大学言語技術研究所(LTI)の「可読性分析」によると、昨年の大統領選挙演説での不動産王(=トランプ)の語彙の複雑さは、ライバルの候補者や過去の米国大統領の中で最も低かったと明らかにした。

英語学習のヒントに?

トランプ英語とはすなわち、

「簡単な英語で断定的な言い方をする」→幅広い聴衆に伝わりやすい。

「しかし、論理性が欠けていたり、事実でないことを断言する」→周囲を混乱させる。

ということになるのでしょう。

そういう意味で、今流行りの「中学生英語をやり直す」系の英語学習方法は、「相手に伝わりやすい英語」を身につける点でとても理にかなっているかもしれませんね。

とはいっても、論理的におかしかったり、事実ではないことを断言するのは、日本語であれ英語であれ、混乱を引き起こすことになるでしょうけど…

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